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で、到着した長の家。
「ただいまなのじゃ」
長の娘の声に、中から飛び出して来たクリスタルスネークの長。
娘に抱き付いて、何処に行っていたのだ!と号泣した。
ま、イメージとして抱き付いたんだろうと思ったが、実際は腕が無いから、絡み付いてるんだけどね。
あー、これは結婚の話は難しいか?
「我の夫となる方を探しておったのじゃ。素晴らしい御方が我を妻にと言ってくれたのじゃ」
長の娘の言葉に、長は泣くのをピタリと止め、僕達を見て、ジュナを見付ける。
首を傾げる長は、ジュナの自己紹介に目を細めた。
ミラージュスネークととは言わずに、ただのハーフと言った為に。
「ハーフを夫にだと?」
長はジュナをじっと睨んでいるが、ジュナはニコニコしてその視線を受け止めている。
流石はラジの息子か、ジュナの放つ強者の風格に、長は気圧されて溜め息を吐く。
「ジュナ殿が強い御方と理解はした。が、ハーフとなると、里の皆が納得するか……」
すると長の娘は、ならば里を出る、と言い放った。
あの短い時間で、ハーフの為にどんな弊害が出るのか、どう対応していくのかを話し合っていた様で、あまりにも差別が酷い様なら里を捨て2匹でジュナの生まれた集落に行こうと言う事になったらしい。
少なくとも其処ではジュナを、どちらの意味でも差別したりはしなかったから、と。
僕は、この2人を受け入れられたら里も安心だろうになぁ、と思いながら見ていた。
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