これは任務なのか?

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リュンクはリュンクで、長の反応を見定めている。 で、慌てる長に、まずは里の皆に紹介してみては?と言っていた。 そこでやっと、リュンクと僕が居る理由を聞いてきて。 説明したら、娘が迷惑を掛けて済まなかった、と謝られた。 正直、とんでもない任務になったよなぁ、と思うけど、それは取り敢えず良い。 問題は里とジュナの関係がどうなるかなんだから。 長は、少し考えて、近くに居た者に、皆を集める様に言う。 「さて、では御披露目の為に広場の舞台に行きますかな」 そう言った長は、自分の娘とジュナについて来るよう言って移動を始めた。 長は『御披露目』とは言ったものの、里の皆の反応に娘がジュナとの結婚を諦めてくれるだろうとの期待が籠っているのを感じ、親がこれでは駄目か、とリュンクと顔を見合わせる。 強い者と認めた癖に、やっぱりハーフでは気に入らないと言うのか。 そんな彼は、ジュナが蛇神の息子と知れば、どんな反応をするのか。 そしてそれは里の皆にも言える訳で。 どうか愚かなのは長だけであって欲しいものだと願ってしまう。 痛いくらいの視線の中で、ジュナの幸せを確保する為に何をしたら良いだろうと考えていた。 到着した広場の舞台に、娘とジュナを伴い上がる長。 僕とリュンクは下で待機する。
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