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それに対して、若者達も叫び始めた。
「強い御方が長の伴侶なら村は安泰だ!」
「ハーフだから何だってんだよ!差別してんじゃねぇぞ、この糞ジジイども!」
「そうだそうだ!ハーフの何が悪い!姫様と添い遂げる相手が強者なら、里の守りも強化されるのに!」
そして怒鳴り合いが始まる。
「里の為に言っておるんだぞ!」
「なら黙ってろよ!これから里を守っていくのは俺達だ!」
「若造が生意気な!」
「ハンッ!生意気で結構!大体、俺等が生まれる前に、お前らが差別して追い出したハーフの奴に襲撃されてひどい状態になったんだろうが!」
「なっ!」
「学習しないジジイだよな!」
そんな言い争いに参加していない、間の世代……長老達の子供世代であり若者の親世代である彼等は、静かに見ていた。
その為、どちらの世代からも同意の意見を求められる。
彼等は差別はしていない様だったけれども、何を言うか?
と、1人が代表して話し始めた。
「昔、あなた方に追放されたハーフの子は我等の友人だった。我等はそれを今でも恨みに思っている。だから、この子達の言う様に、ハーフで強いこの方が長の伴侶となってくれたなら、もうそんな思いもしないで良いと思う。我等は姫様の結婚に賛成だし、長になって貰いたい」
その言葉に、長はワナワナと震える。
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