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「何だと!?我を辞めさせて娘を長にと申すか!」
自分と反対の意見を述べる彼に怒りの目を向けた長。
が、男性は怯む事無く、長の目を真っ直ぐ見て続けた。
「本当は我等の世代の貴方が長になって、変わると思っていたのだ……長老達に洗脳されて、あの時の気持ちを忘れて、ハーフは認めないと言う目をしている貴方こそ長には相応しくない。長老達共々、里の外れでひっそりと生きていってくれ」
後ろで彼の同世代の者達は、一斉に頷く。
長老達は、憤慨して警備に就いていた者達に彼を捕らえる様に言うが、武器を向けられたのは長老達だった。
「なっ!?」
長が止める様に言うが、警備の彼等も間の世代と若者世代で、言う事を聞かない。
静かなクーデター、と言う所か?
そんな中、ジュナは一言。
「皆さん、落ち着いて」
穏やかに凛とした透き通る声で言う。
それで皆、ハッとして口を噤むとジュナを見た。
静かになった広場の皆に、ジュナは争わない様に言う。
「私を認めてくれた者達に感謝する。私が何者とのハーフとわからずとも認めてくれるのだから、この里に留まり里を守る為に尽力するつもりだ」
その言葉に、長と長老達は暴言を吐くが、それ以外は大歓声を上げる。
そこにジュナは続ける。
「が、私の存在を邪魔に思う者達も居るのは事実。私は一度この里から出ていこう」
その言葉に、長と長老達は二度と戻ってくるなと言い、それ以外は引き留める。
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