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そんなやり取りに、とうとうリュンクが少しサイズを大きくして、舞台に上がった。
リュンクの存在は一目でわかるので皆、龍神様が、と口喧嘩を止めてザワザワする。
「もうさ、こんな言い争いを何時までも続けてないで、長と長老達を残して、別の所に新しく里を作って移住すれば?息子がこんな罵倒されたと知ったらこの里は消滅させられちゃうだろうし」
リュンクの言葉に、一同、唖然。
消滅とはどう言う事なのだろうと。
が、続いた言葉に、皆、納得した。
「ラジってあれで短気だし、仲間が傷付けられるのは凄く怒るんだ。身体的にも精神的にも。それが息子ならどうだと思う?ミラージュスネークに攻め込まれたら、こんな里は跡形も無くなるよ?」
「ミラ……?っ!蛇神様!?その息子……だと!?」
長と長老達は顔を青くして震え上がった。
逆に、それ以外の者達は、自分達が間違っていなかった事に喜んだ。
やはり差別をする様な長老達には里を任せてはおけない、と騒ぎ出す。
「あいつも俺と同じで一体のみの存在だからさぁ、子供はどうしてもハーフになるんだよ。それなのにハーフは駄目とか言って迫害する輩を、あいつが許す訳無いからな」
それを聞いて、どうしよう、と、声が上がる。
そして。
里に愛着があり、里を捨てるなんて出来ない、と、間の世代からは、原因の長老達を里から追い出せ、と言葉が飛び出す。
が、若者世代からは、里を出て自分達で新しく里を作ろう、と、リュンクの言葉に賛同する声が。
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