2469人が本棚に入れています
本棚に追加
「この里の精霊の加護が無くなったね。皆、彼等についていっちゃったよ」
リュンクの言葉に、長老達は、目を見開く。
「な、精霊が居なくなったと言うのか?」
そんな彼等に、リュンクはダメ出しをする。
「流石にあの言動は無いよなー。里の為と差別を正当化してたのに、ジュナが蛇神の息子と知った途端に態度を変えたら、里の皆だけじゃなく精霊だって愛想をつかすよ」
「……」
「ま、これから君達で頑張るんだね。じゃあ、俺達も帰るから」
返す言葉もなく俯く彼等に、リュンクは僕を背に乗せると飛び上がった。
「待って下され!」
長が引き留め様とするが、リュンクは、さよならー、とその場から離れた。
「放置で良かったのかな?」
僕が下で騒いでいる彼等を気にして聞けば、他種族の内輪揉めに首は突っ込まない方が良い、とリュンク。
「でも、ジュナ達が作る新しい里まで、行ってみよう」
ジュナの事は気になる様で、里を作る手伝いはするつもりらしい。
そして直ぐに彼等に追い付いて、ジュナの横に降りると小さくなる。
僕の肩に乗って、口を開いた。
「大所帯になっちゃったな?本当は自分達だけで出ていくだけのつもりだったんだろ?」
「そうだな、巣穴が足りないだろうな」
ジュナの言葉に、取り敢えず2匹が住む場所は確保出来そうだった事が窺える。
最初のコメントを投稿しよう!