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そんなラジに、長の娘も好感を持った様で、流石はジュナ様のお父上じゃ、と感激していた。
蛇神がお礼を言うとは思ってもなかったのか、周りの皆も目をキラキラさせて、尊敬の眼差しを向けている。
で。
「それで、息子達について来てくれた者が多くて、巣穴が足りない、とな。よし、それなら私に任せろ」
ラジは状況を把握すると、胸を張ってそう言った。
どうするつもりだ?
すると、ラジが身体を穴の1つに滑り込ませると、地下から細かい振動が伝わってきた。
「あ、穴掘り始めちゃった」
リュンクの言葉に、皆が慌てる。
「大変だ!」
「蛇神様に穴を掘らせる訳にはいかない!」
それぞれ、穴に入ろうとするクリスタルスネーク達。
それをリュンクが止める。
「神格化してるラジだからこれだけの振動で掘ってるけど、普通は崩れる心配が有るから。逆に足手纏いになるから、此処で大人しくしてような?」
リュンクに言われては大人しく言う事を聞くしか無いらしく、皆は心配そうにラジが出てくるのを待った。
なので。
「お待たせ、っと」
そんな軽い言葉を言いながら穴から出てきたラジを見た皆は、蛇神様~、と安堵の声を上げたのだった。
「どうしたんだ?」
不思議そうなラジに、皆で心配してたんだよ、と教えると嬉しそうに笑ったラジ。
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