2469人が本棚に入れています
本棚に追加
「少し多く掘っておいたから、これで皆で余裕で住めるだろう。おまけで結界も張っておくな」
気を良くしたからか、ジュナにそう言って、この辺り一帯に強力な結界を張る。
住民の出入りは自由だが、入る者は精霊の許しが必要なもの。
住民が連れて来ても、精霊が本質を知ってるから、認められなければ入れない。
「住人が此処に逃げ込む時は、掴まれてても相手を弾いて住人だけ入れる様になってるから」
おまけに追加でそんな効果を付けていた。
凄いサービスだ。
「ラジって親バカなんだねー」
何気に酷いよ、リュンク。
しかし、ラジはにっこり笑い、リュンクに言ったのだった。
「リュンクも親になれば、立派な馬鹿親になるだろうよ」
と。
「なんだよ馬鹿親って。親バカって言ったんだよ、俺は。大体、俺はどっちもならないよ。なるならとっくになってるさ」
リュンクは反論して僕を見る。
「あれ?僕ってリュンクから見て、子供な立ち位置な訳?」
「え?カノンは俺の立ち位置が何だと思ってるんだよ?」
「え?お兄ちゃんだけど?」
「え?」
「え?」
お互いに疑問符を飛ばして不思議そうに顔を見合わせる。
すると、ラジは嬉しそうに身体を揺らし、豪快に笑った。
「カッハッハッ!どちらにしても、主従関係では無いのは良くわかった!良い関係だな!羨ましい」
「「家族だからね」」
そこは僕もリュンクも一致していた。
最初のコメントを投稿しよう!