2469人が本棚に入れています
本棚に追加
「さて、私はそろそろ行こうかな。ジュナ、元気でな。お嬢さん、ジュナをよろしく」
ラジはそう言うと、転移でスッと消えてしまった。
「相変わらずせっかちだなぁ、もっと名残を惜しめば良いのに」
リュンクは肩を竦めて、呆れる。
と、ジュナは心配そうにリュンクに尋ねた。
「父は彼方の里を攻撃に行ったのか?」
リュンクは安心させるように、穏やかに返事をする。
「それは無いよ。ジュナが捕まって辛い目にあってれば助けに干渉するだろうけど、ラジは基本的に放置だから。言わせておけば良いって。でも、ああ脅しておけば、少しは自分達が何を言ったのか考えると思ってさ」
「そう、ですか」
ホッとしているジュナに、リュンクは続ける。
「それに精霊の加護が無くなった里なんて、手を下すまでも無いしな」
それには、あー、と複雑そうな顔をする。
「良いのじゃ。あんな俗物、忘れてしまえば」
長の娘はそう言うと、ジュナにすり寄る。
「大事なのはこれからじゃよ」
そんな2人に、リュンクが微笑んで別れを告げる。
「俺達もそろそろ行くよ。頑張ってな」
あ、そうだな、帰らなきゃ。
「お幸せに」
僕がリュンクに続けて言うと、ジュナは。
「色々と有り難う。今度ゆっくり遊びに来て欲しい」
そう言って頭を下げた。
「「うん、またねー」」
僕達は結界から出ると手を振って、転移でギルドに戻った。
いやー、なんか色々と疲れた任務だったなぁ。
最初のコメントを投稿しよう!