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そんなこんなで魔闘祭当日。
僕は集合場所の闘技場の入り口の前で、皆を待っている。
早く来すぎたなぁ、とか、これじゃぁ大会を凄く楽しみにしてる奴みたいで嫌だなぁ、とか思ったが、結界等の不備が無いかの確認が有って、さっき終わったばかりだから仕方が無い。
1年生が転移を使う訳にもいかず、一度戻ってからまた来る時間は無いのだ。
誰か来てるかなぁ、と思ったんだけどねー。
こんな事なら、ギルド隊員の姿のまま、ウロウロしてれば良かったなー。
門の横に置かれたベンチに座り、寄り掛かって背凭れに肘を乗せ、天を仰ぎ見る。
魔闘祭日和と言うのか、雲ひとつ無い快晴で、爽やかな優しい風が頬を撫でていく。
あー、出来る事なら、サボりたい。
と。
「あら!カノンじゃない!やだ、制服姿じゃ無かったら格好良かったのに」
不意にそう声を掛けられて視線を移すと、中学の時のクラスメイトだった。
「え、あれ?どうして此処に?」
「私、家の店を継ぐのに修行中なの。で、今日は此処で売り子をするのよ」
「そうなんだ?えっと確かお花屋さんだったよね?」
「そう。カノンは出場するのよね?頑張ってね」
「ん、有り難う」
そんな話をしていると。
「カノン、おはよう」
ライルが現れた。
そして、元クラスメイトに気付く。
「あれ?久し振りだな!元気だったか?」
そして同じ様なやり取りを、ライルともする元クラスメイト。
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