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シヴァルは僕の頭を一撫ですると、結界を解いて、集まっていた他のギルドのマスター達と転移で消えた。
はぁ。
これで気を抜けなくなったな。
僕達は頷き合って、此方をチラチラ見ているギルド隊員達に会釈すると、彼等も軽く会釈してくれ、解散してそれぞれの席に戻った。
「あ、カノン、控え室に行く時間だ」
デルが僕に気付いて声を掛けてくる。
他の皆が居ない所を見ると、デルは僕を待っていてくれた様だ。
わかった、と合流してデルと歩く。
「他の皆はもう行ってるんだ?」
「ああ。それより何かあったのか?ギルドのマスター連中が挙って居なくなってるけど」
鋭いデルの質問に、苦笑いで答える。
「何か緊急の用が出来たんだって。でもスカウト目的のギルド隊員は残ってるから、問題無いよ」
「そうなのか?不死鳥のギルドマスターに呼ばれてたから、何事かと思った」
「あれで親バカだからね。ギルドの孤児は自分の子供のつもりだから、せっかくの晴れ舞台を見てやれないって、謝られたよ」
笑って言えば、そう言えば親父も見に来るって言ってた、と頷く。
「子供の成長を見る絶好の機会だからねー」
「なら、残念だったな、帰っちゃうなんてさ」
「まー、来られない人の為に中継もされるし、録画もされて後日放送されるから、後で見て貰えるよ」
そんな話をして、到着した控え室。
今は第4試合の真っ最中だった。
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