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「あ、来た」
シルビアが気付いて呟くと、レベッカが何の用だったのか尋ねてきた。
デルにした説明をもう一度すると、皆はちょっと気不味そうにする。
皆の家も家族で見に来てるそうで。
気にしなくて良いのに、と笑顔で言うと、でもー、とレベッカ。
「他にも身内が来られない人が居るんだし、一々気にしてたらキリがないよ」
僕の言葉に、それはそうか、と皆で頷いた所で、ステージ入り口に呼ばれる声がする。
ん、無駄な緊張は解れたかな?
よし、いよいよだ。
「さあ!頑張ろうぜ!」
デルの掛け声に、おう、と皆で応え。
ステージに出ていく。
光と歓声に包まれて耳に飛び込んできたのは司会の声。
「さて!第5試合は、1年Sクラスのデルのチーム!対、2年Cクラスのナグのチームだぁ!」
ワァーと盛り上がる観客席。
第5試合だと言うのにまだまだ元気だね。
僕達はそれぞれの配置につき、2年生の様子を窺う。
2年生は相手が1年生だと余裕の表情だ。
「それでは試合開始!」
開始の合図にもただ立っている2年生。
なのでデルとクランが向かって行く。
「シルビア、相手の魔法の発動に注意。ロッソは補助の準備」
そう後ろから指示を出すと、黙って頷く2人。
良い感じに集中している様だ。
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