魔闘祭だっ!サバイバル

10/43
前へ
/1646ページ
次へ
その後も鉢合わせしたチームを倒して拠点に戻る途中、ピリッと背筋に緊張が走る。 「何か来る」 僕の言葉の直後、轟音が響いた。 同時にサイレンが鳴り響く。 「襲撃かっ!?」 「だね……?」 振り向いて問う聖雅に答えるが、何かが変だ。 「え、何で疑問系なんだ」 「だって生徒以外の魔力を感じないんだよ」 正臣の突っ込みに、そう答えれば。 「「本当だ」」 聖雅と共に、険しい顔をした。 「魔力感知出来ない相手じゃ厄介だね」 クリスも眉根を寄せると呟いて、上を見上げる。 この無人島には、島全体を大きく覆う様にドーム状に結界が張られていたから、それが壊されたと思ったらしい。 ま、上から轟音は聞こえたからな。 だけど、よくよく感知してみれば結界が壊された様子は無い。 なら良かった。 父さまの開発した中でも一番強度を誇る魔法陣を、ニーグに頼まれて渡しておいたんだ。 それを使って張った結界なんだろう。 魔力を籠めれば籠めるほど、壊れなくなるものだ。 教師全員で少しずつ魔力を籠めていけば、かなり頑丈になる。 つまり、轟音はしたけれど壊されず侵入も許していない訳で。 「敵は結界の外だね」 そう言うと、皆が一斉に上を見上げた。
/1646ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2471人が本棚に入れています
本棚に追加