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その後も鉢合わせしたチームを倒して拠点に戻る途中、ピリッと背筋に緊張が走る。
「何か来る」
僕の言葉の直後、轟音が響いた。
同時にサイレンが鳴り響く。
「襲撃かっ!?」
「だね……?」
振り向いて問う聖雅に答えるが、何かが変だ。
「え、何で疑問系なんだ」
「だって生徒以外の魔力を感じないんだよ」
正臣の突っ込みに、そう答えれば。
「「本当だ」」
聖雅と共に、険しい顔をした。
「魔力感知出来ない相手じゃ厄介だね」
クリスも眉根を寄せると呟いて、上を見上げる。
この無人島には、島全体を大きく覆う様にドーム状に結界が張られていたから、それが壊されたと思ったらしい。
ま、上から轟音は聞こえたからな。
だけど、よくよく感知してみれば結界が壊された様子は無い。
なら良かった。
父さまの開発した中でも一番強度を誇る魔法陣を、ニーグに頼まれて渡しておいたんだ。
それを使って張った結界なんだろう。
魔力を籠めれば籠めるほど、壊れなくなるものだ。
教師全員で少しずつ魔力を籠めていけば、かなり頑丈になる。
つまり、轟音はしたけれど壊されず侵入も許していない訳で。
「敵は結界の外だね」
そう言うと、皆が一斉に上を見上げた。
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