さよなら

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ゲートを潜って着いた地球のスイス、勇者の村では、まだ夕方で。 着くなり、飛行機の時間があるから、と村長から皆のパスポートを受け取り、地球で着ていた服に着替え、それぞれ少しだけ残した魔力を封じて魔封具を身に着ける。 今回の勇者の村からの協力の報酬は、父さまが結界を張る魔石に魔力を籠めると言うものだったらしい。 これで数十年はまた安心して暮らせる、と喜ばれて送り出されて、此処で父さまともお別れ。 空港までは、村外れに住む魔力を持たない勇者の子孫が車で送ってくれた。 少しづつ村の外の人達と交流する子孫が増え、結界の外の村外れに移住する人達も増えているとか。 結界の中に籠もっているのは、魔力を持つ一部の者達だけになっているそうだ。 中には子供や若い子も居るそうだが、魔力を持って生まれてくる子は少なくなっていて、もうほぼお年寄りらしい。 運転してくれているテルと言う青年にそんな話を聞きながら空港に到着すれば、此方に来る事があれば連絡下さい、と連絡先を渡された。 どうやら此方に来た時には迎えに来てくれるらしい。 至れり尽くせりのテルにお礼を言って別れ、飛行機に乗る。 初めての体験にドキドキしていると、隣に坐った聖雅が手を握ってきた。 色々なお別れが続き、この飛行機が日本に着けば僕達もお別れだ。 思わず僕も握り返したら、ニコリと微笑まれた。 うん、やっぱり笑ってさよならしたいよね。
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