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とある関西の中学校、少し夕暮れに近づいた時刻、女子の荷物が山のように置かれた体育館入り口に少し髪の伸びた少年が重い荷物を持ち、入ってきた。
「やっと来たか~遅いぞ~優」
バドミントンに使うラケットを振り回す違う少年はスマッシュを決めるとラケットを振りながら少年に微笑みかける。
優と呼ばれる少年は重い荷物を床に落とすとため息をつきながら口を開いた。
「ごめん雅樹、掃除サボったから帰りにやらされてたは」
「まじか~あの先生だるいな~、後今日は女子と合同の体育館の日やからコートは半面だけやで」
雅樹と呼ばれる少年の名は藤井 雅樹、バドミントンの大会で何度も優勝を納めているこの学校のエースといったところだ、耳にはピアスをつけていて少しやんちゃな部分もある。
そして優の本名は佐藤 優、少し髪が伸びたどこにでもいる少年だ。
この二人を含む12人の中学二年生は男子バドミントン部という部活に所属しており、今日は体育館の使用を許可を得ている日なので女子バドミントン部を含む2つの部活が合同で体育館を使用している。
尚、女子バドミントン部の部員は60名に対し、男子バドミントン部は二年生だけの数少ない12人、何故か後輩も先輩もいないという不思議な部活なのだ。
それを理由にバドミントンを開始する時は男子は半面のさらに半面、体育館の四分の1の広さしか使わせてもらえない。
文句も言おうにも相手は60人の女子、説得などするだけ無駄なのだ。
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