充実した1日

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女子バドミントン部も部活を終了したのか片付けを始めていた。 「あ~俺用事あるから車で帰るわ、多分もう親来てるやろうし」 山添は皆が片付けを始めると1人鞄を持ち、そそくさと入り口に走っていった。 「きっしょ」 雅樹は山添を睨むとネットをたたみ、倉庫に運んでいった。 そして片付けが終わると入り口に山添以外の男子バドミントン部の全員が集まった。 「おつかれ~」 次々に手を振りながら正門へ歩いていく。 俺と雅樹、光は他の部員に向かい手を振ると、鞄を肩に背負う。 「な~このラケットだれの?」 光はまだ綺麗なラケットを手にとり、俺達に問いかける。 「誰のやろ?女子のちゃう?」 俺の見た限りでは他の部員は全員ラケットを持っていたのでそう答えると雅樹が低い声で口を開いた。 「多分…山添ちゃう?あいつ帰る時鞄しか持ってなかったし」 「まじ?じゃあ届ける?」 「そこらへんほっとけ、帰ろ」 雅樹は光から山添のラケットを取ると、そのラケットを勢いよく地面に叩きつけ、俺と光の肩を掴み、正門に歩き出した。
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