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先程、女子生徒をからかった男子生徒、峰岸 歩は、今自室で『ヴァーチャルオーバー』をインストールしていた。
「えーと、どう使えばいいんだ?」
独り言である。
「んー。剣と魔法でのPvPのゲームとは聞いてたけど、倒した相手を自分の所属するギルドメンバーに強制的にすることが出来る、か」
そう、ゲームとしてのヴァーチャルオーバーは結構単純である。
相手を確認し、バトルを申し込む。
申し込まれた相手は、バトルをするか否かは選択の余地はない。
拒否した時点で不戦敗となるからだ。
負けると相手のギルドのメンバーとして強制的に登録されることになる。
そしてギルドを抜けることは出来ない仕様(必ず、どこかのギルドに所属)になっているため、違う誰かに負けて別のギルドに移るか、ギルマスにバトルを挑んで勝利しギルド自体を自分のモノにするしかない。
(ただし、同じギルドのギルマスとの再バトルは一定時間不可)
「成り上がりゲームなのか?これ。ハーレムギルドってのも悪くはないかぁ」
ニヤニヤしている自分が少し情けなくなってきた。
「じゃぁ、強くなくっちゃな…。課金するかぁ」
最近のゲームは、いつ、どのタイミングから始めても課金すれば強くなれる。これは、このゲームも同じである。
経験値は純粋にPvPでのみ増えるタイプだ。
「うはっ。イヤでもバトるのね?このゲームは」
(負けるの悔しいし、派手に課金してガッツリ楽しむか)
とっておいたウェブマネーを1万ほど使い、揃えられる最強の装備を購入した。
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