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翌朝。登校途中。
その時は突然やってきた。
携帯が震える。
慌てて携帯をチェックする。
ヴァーチャルオーバーの画面が開いている。
チャット画面が表示された。
{おはよー^^ ヴァーチャルオーバー始めたんだ?w}
はい?
周りを確認すると、後ろで昨日ヴァーチャルオーバーを推していた女子、朱里が携帯片手にこっちを見て笑っていた。
「普通に声かけたら?」
焦って損した気分だ。
「あはははは。だって近くに誰かいるって反応あったから、誰かと思ったら歩だったから。つい…ね」
「まだ使い方分からないんだよ」
「あぁ、画面開いてれば近くにユーザーがいると教えてくれるよ?しかも、方向まで」
「ずっと携帯見ながらはできんな」
「慣れると結構大丈夫だよ。それより、まだギルメン1ってことは一回もバトってないんだね?」
「そりゃそうだ、昨日の夜インストールしたんだから」
「そっかぁ。アタシが初バトルしてあげようか?」
「はい?いきなり?」
「そうそう。アタシ昨日の帰りにバトル申し込まれてさ、負けちゃったんだよね。しかも、なんかキモそうなヤツに」
「それは災難だったな」
「で、アタシはそこのギルドにいたくないから。バトって負けて抜けたいの」
「あぁ、そういうことね?わざと俺に負けて俺のギルメンになって…そのあとに俺をぶちのめす、と」
「まぁ、そんなとこ」
よっぽどイヤなヤツだったんだろうな、そのバトル相手。
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