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『私が顔を忘れる前にまたきてね』
ママの言葉に笑顔で手を振って店を出た。
外の空気は冷たく、酔いを覚ますにはちょうど良い塩梅だ。
上を羽織って来なかったみきが寒いのか体を寄せてくる。
俺は着ていたダウンコートをみきかけてあげて、
『これで寒くないだろ?』
みきも酒が入っていたので、頬が少し赤らんでいた。
『あったかいよ、ありがとぅ』
そう言って寄り添うみきの肩を抱いて駅の方にそぞろ歩いた。
日も暮れて、寒空の街灯が余計に体感温度を下げる気がする。
ふと、俺の視界にHOTELが見える。
俺はHOTELの方を見てみきに、
『ちょっと寄り道してあったまって帰る?』
みきは無言でクビを縦に振った。
では、そういう事で♪
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