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そして時は経ち、20代半ばでふたたび舞い戻ってきた俺は、当時と比べての閑散としたこの街に一抹の不安すら覚えていた。 こんな状態の東京で商売になるのか?と・・・ 風林会館の喫茶店に入りプリン・ア・ラ・モードを頼んでとりあえずタバコに火をつける。 待ち合わせまで小1時間ほどあるがとりあえず上条さんに電話を入れる。 まだ仕事中で、こっちにこれるのはやはり定刻通りとの事。 2本目に火をつけて店内を見回す。 落ち着いた新宿にしてココだけは当時と同じあいも変わらずで、 ホストと客のカップル、メイクを直しながらダベっている出勤前のキャバ嬢グループ、クラブ系の落ち着いた綺麗なお姉様方。 そして歌舞伎町の番人、ヤクザ。 当時と似たような顔触れで店は混雑していた。 待つ事1時間程で上条さんがやってきた。
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