三人のキチガイ

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トーキョーグランドホテル八階、記者会見会場。 言うまでもないがこの物語はフィクションなので実際の場所とは一切関係ありません。 本来は結婚式などの披露宴に使われるそこにはギッシリと人と機材が詰め込まれていた。 様々な人種のアナウンサー達がカメラのレンズに向かってマイクに唾を撒き散らしながら会見の時が近づいていることを伝えていた。 と、ドアが開き誰かが入ってきた。 それにカメラのレンズと人の目が集中する。 入ってきたのはこのホテルのボーイ二人。 彼らは何故か鉄棒を持ち運んでくると、三人のトップ達が座る机の隣にそれを設置した。 と、ボーイ達と入れ替わりに三人の人物達が入ってきた。 呆気にとられる記者達を他所に三人は気にした風もなく椅子に座り、鉄棒にぶら下がった。 そのうちの一人、鉄棒にコウモリのようにぶら下がった北欧系の男性が隣に座っている黒いロングコートに黒い革手袋、黒いサングラスで周囲を警戒している日本人男性からマイクを受け取ると、 『あ、あー、マイクテスマイクテス。 ……さて、会見を始めよう。』 と、言った。 次に、黒ずくめの日本人男性の隣に座っているアフリカ系黒人男性が口を開く。 『25554162611013110131253523951312414122211033281327133。』 会場が沈黙する。 『すいません皆さん、彼は少し特殊な言語で話すのでご容赦ください。 ちなみに彼はこの度はわざわざご足労いただき感謝します、と言いましたからね?』 コウモリ状態の男性が苦笑しながらそう言った。 ここでようやく記者団が正気に戻る。 途端にカメラのフラッシュが撮影の嵐を巻き起こす。 と、記者の一人が手をあげた。 『どうぞ。』 「えぇー……っと、あなた方がΔコーポレーション代表、アドル『貴様!さては組織の刺客だな!?』はい?」 突如立ち上がり叫んだ日本人男性。
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