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◇
カーテンを開けて窓から外の景色を見る。そこから見えるのは大きな桜の木。あの日見た桜色の世界が、また今年もやってくる。
「見ろよ、桜満開だ」
さくらは頭を枕に寝かしたまま横を向き、瞳の奥を桜色に染めた。
「さくら、覚えてる?君があの時言ったこと」
さくらは微笑みながら小さく頷いた。
彼女の事をしばらく見つめる。目がくりくりで、鼻も高くて、笑うともっと可愛い。
笑うともっと可愛い……
あの日、彼女が言ったこと。あの時は凄く共感できたけど……どうしてだろう。
今では凄く間違っている気がした。彼女を見ていると、無性に否定したくなった。
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