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初芝城とその城下はいつものように結界に守られた山で俗世と違う理で平和に包まれていた。
初芝の血を引く男子の眼には《慈伏眼》が現れる。アヤカシの魂を鎮めたり魅了して心を捕らえたりなど、特殊な力を操ることが出来る。その力を悪しき目的のために使おうとする六道より隠れていたのだ。
しかし、ある日一人の無垢なアヤカシとそれを騙した六道の手の者により、平和は打ち砕かれてしまう。
まだ陽も上がらぬ闇の刻、けたたましい半鐘の音で皆目が覚めた。
取るものもとりあえず外に出る民の目に映ったのは、火に包まれていく町並みだった。
城下を守る兵たちの誘導で予てより定めていた通り、民は城へと向かう。
その中で町外れに住んでいた大戸屋誠太郎は逃げる民を助けようと桶を持って鎮火へ。
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