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別れて逃げた矢先、響き渡る管狐の叫び声に立ち竦んでいたところ、皆無が見つけたのだ。
心を奮い立たせて彼女は皆無と叫び声のした方へと走る。
細い体を矢に貫かれてぐったりとした管狐を手にした赤鬼と手下らしい青鬼を見つけ、お風は管狐の救助、皆無は六道を打ち倒す役目を果たそうとする。
管狐をアヤカシの里に連れ帰り、外へと出たお風を待っていたのは明け始めた空と青鬼の骸、首が不自然な方向へ曲がった初芝烏――それは幸いというべきか知り合いではなかったが、その少し離れたところに倒れた初芝烏を見つける。
片足を潰された彼、義佐が言うには赤鬼は雑兵でなく、この地に封じられた鬼、大嶽丸の仮の姿だという。大嶽丸の力は強大で初芝の陰陽師たちとアヤカシの里の者たちの協力でも斃す事叶わず封じるに留まったという。
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