1章

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最近蒸し暑くなってきた。 友だちの一人であるエリは、最近やる気が出ないのをこの気候のせいにしてる。 かくいう私も最近もっぱらやる気が出なくて9時間睡眠とかしてるんだけど。 放課後、 「そろそろクーラーだよね。」 いつものメンバーであるカオリが呟いた。 すると即座に 「はぁ?気がはえーよ まだ6月っしょ」 というツッコミが入った。 少々口が悪い、見た目ヤンキーの純情乙女のサチだ。 この二人は小学校から仲良しで、腐れ縁らしい。 私は幼馴染みとかいないからたまに二人のやり取りを見て羨ましくなる。 「私、6月が一番嫌いかも。」 エリが机に突っ伏すと、カオリがアタシも、と同意した。 「なんで?」 「だってさ、ムシムシするし、雨降るし?」 「そうそう!ベタベタするし!」 私の問いかけにすごい剣幕で訴える二人に思わず笑ってしまう。 「ベタベタするのは、お前の汗だろ。 何て言うの?肉汁?」 メンバーの中で唯一ぽっちゃりしているカオリに、サチはいつもひやひやするようなことを言う。 最初はカオリもひそかに傷ついているのではないかと思ってたけど、多分これが二人の友情の形なんだと思う。 よくわかんないけど。
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