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靴箱まで下らない話をしながら歩いてると、向こうから一人の男子生徒が手を降ってきた。
篠 康介、サチの彼氏だ。
当のサチは気づいてないらしく、カオリとジャレあっていた。
「サッちゃんっ」
わざとらしく声をあげたのはエリだ。
「コウちゃんだよっ」
語尾にハートでもつくような勢いでウインクをするエリに、サチの顔が真っ赤になる。
「て、てめっ!!
なんでその呼び方…!!」
「コウちゃん、手降ってるよーん?」
サチがエリに掴みかかろうとしたところで、カオリが口を出した。
サチは一瞬コウちゃんの方に目を向け、カオリの頬っぺたをギュッと摘まむと、ちょっと言ってくると呟き、コウちゃんに走りよった。
「いひゃい…」
カオリがサチにつねられた頬を撫でると、余計なこと言うからだよーとエリがカオリの肩をポンッと叩いた。
「先にちょっかい出したのはエリでしょ。」
私がそう言うと、エリはペロッと舌を出した。
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