1章

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三人で固まって、サチとコウちゃんの方を見る。 端から見るとかなり変な状況なのかも知れないが、これは私たちにとってかなりお得な状況だ。 いつも暴言を吐きまくるサチのデレデレの笑顔。 赤く染まった頬っぺた。 たまにコウちゃんに撫でられたときの顔なんか、もう言葉に言い表せない。 すっごーく可愛い。 恋する女の子は可愛いとよく言うけど、本当にその通りだと思う。 高2になって付き合い始めたサチは、1年のときに比べてキラキラしてる。 「いいよなぁ、サチ」 そう呟くエリは、同じ100Mの先輩に片想い中だ。 エリが大会へ向けての練習中、タイムが上がったことを自分のことのように喜んでくれたことにキュンときたらしい。 恋をしたことがない私と、食べ物が恋人のカオリは二人の乙女たちを横に、目を合わせてうなずきあった。
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