普通の女の子

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普通の女の子

新曲の歌詞を渡された次の日。 頭の中でたくさんのメロディーを奏でああでもないこうでもないと、あれこれ試行錯誤していた。 やっぱり恋する女の子の気持ちなんて、もう分からないよ。 「杏っ!おはよ!」 「あ、円香ちゃん。おはよう」 「どうしたの?ボケっとして……」 「ボケっと?」 「うん。だって、凄くフラフラして歩いてたから。何か考え事?」 円香ちゃんに声を掛けられ、気付いたら彼女が隣にいた。 「まぁ…。少しね。新しく歌詞をもらったんだけど……」 「えっ!?新曲出すの!?」 目がキラキラして興奮する円香ちゃん。 円香ちゃんは、あたしのファン1号で毎回CDを買ってくれるほど。 「そうなんだけど……」 「あ、作曲しないといけないから忙しいんだ?」 「それもあるんだけど……」 「ん?」 「今回の曲、恋愛ソングなの」 「恋愛!?初めてじゃない?楽しみ!」 円香ちゃんは喜んでくれてるけどあたしは心の底から悩んでいる。
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