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「永田様、何故私をこのようなお世話役に?」
私は肌着を寄せて、その広い背に掛けながら訪ねた。
「おまえにしか、出来ぬ事だと直感したからだ」
私にしか出来ぬ事?
「…私は近頃気が付いてしまったのです…」
「なんだ?」
恥ずかしくて、少し躊躇っていると。
永田様は起き上がり、不思議な顔をして私を見るから、思い切って伝えた。
「私は、永田様が好きです」
「……」
「好きなのです」
「……」
しかし永田様は黙ったまま。
何故…何も言ってはくれないのだろう。
自分の望む答えが返ってくるとでも、期待をしていたのだろうか。
だから、悲しい。
「…そうか」
「あの、永田様は…」
と、聞こうとすると永田様は遠い目をしてやはり黙ったまま召し物を着始めた。
好きだから、抱いてくれたのではないのですか?
違うのですか?
では、貴方様にとっての私は本当にただの性欲を満たすためだけに申し付けられたお世話役なだけ…?
それならば、私は…私は悲しくて堪らない…。
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