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「…あっ…」
永田様は私の肩を甘噛みした。
「おまえ、泣くのを堪えているだろ…」
そう言って、横目で私を睨み付ける。
「いいえ…」
そして、意地悪に下を激しく動かした。
「吐け、そんな面では気分が悪い…」
「泣いてなどいない…堪えてなどいない…」
そう言って、我慢するために瞳をぐっと閉じた時、ほろりと涙の雫が頬をつたってしまった。
「泣いてる女を抱くのは好かん」
永田様は私を冷たく突き放し、肌着を纏った。
心なしか、少しだけ怒っている様子だった。
そんな身勝手な態度を取られて、私はどうしたらいいのですか?
「…怒ってますか?」
「……」
「…もう嫌いですか?」
「……」
「…明日からは必要は有りませぬか?」
「……」
私は何も言わずにいる、その背に語りかけた。
「…私は永田様にとって、一時だけの女なのですか?」
結局、それが一番聞きたかった私。
「欲望を満たすための、お世話役ですか?」
「……」
「お応え下さいませ」
私は怖いながらも、震えながら聞いた。
「そうだ」
嘘だ…今、なんと…。
「そうだが、何か?」
腕組みをして、私に殺気立った目付きで睨み付けてきた。
「ひ、ひどい…」
あぁ…なんて…ひどい…ひどすぎる…。
身体に鳥肌が立った。
口唇の震えが止まらないとごろか、その震えは大きく身体全体を震わした。
そして、私の心は砕かれた。
「で、おまえはそう聞いて俺の前で死ぬか?それとも俺に殺されたいか?どちらを選ぶ?」
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