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はぁ…はぁ…はぁ…
とにかく捕らわれないためには、逃げて走りきるしかない!
後ろなどは振り返ってはいられない!
所詮私も女。
追っ手は、あっという間に距離を縮める。
もう後少し下れば、小さな町に出る!
そこまでは、死に物狂いで逃げるしかない!
「アイツ、やっぱり女だ!」
「あの首筋といい!あの足といい!」
外道どもが!
「高く売れるぜ!ウヒョーッ!」
「売る前に、俺が食いてぇよ!」
山賊たちは私を追いながらも、いやらしい話をして笑い声を上げていた。
はぁ…はぁ…はぁ…
苦しい!
ダメだ、必死に逃げても、まだ町が見えない。
しまった!
もう無理か、無理なのか!
舌を噛む準備をして、後ろを振り返った。
汚い腕が、私の腕を掴もうとした瞬間…。
「ウギャーー!」
大きな鷹がバサバサと、山賊の男の顔に羽を叩きつけた。
「あっち行け!」
もう一人の男が、後ろから私に襲いかかる。
「捕まえたぜぇ」
「イヤ!やめて!」
胸を揉まれて、女だと確かめられた。
その時、遠くから馬が駆けて来る音がした。
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