一、捕らわれぬ

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はぁ…はぁ…はぁ… とにかく捕らわれないためには、逃げて走りきるしかない! 後ろなどは振り返ってはいられない! 所詮私も女。 追っ手は、あっという間に距離を縮める。 もう後少し下れば、小さな町に出る! そこまでは、死に物狂いで逃げるしかない! 「アイツ、やっぱり女だ!」 「あの首筋といい!あの足といい!」 外道どもが! 「高く売れるぜ!ウヒョーッ!」 「売る前に、俺が食いてぇよ!」 山賊たちは私を追いながらも、いやらしい話をして笑い声を上げていた。 はぁ…はぁ…はぁ… 苦しい! ダメだ、必死に逃げても、まだ町が見えない。 しまった! もう無理か、無理なのか! 舌を噛む準備をして、後ろを振り返った。 汚い腕が、私の腕を掴もうとした瞬間…。 「ウギャーー!」 大きな鷹がバサバサと、山賊の男の顔に羽を叩きつけた。 「あっち行け!」 もう一人の男が、後ろから私に襲いかかる。 「捕まえたぜぇ」 「イヤ!やめて!」 胸を揉まれて、女だと確かめられた。 その時、遠くから馬が駆けて来る音がした。
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