二、貴族の女狩り

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私の座る後ろには、永田様がしっかりと座り、前には後藤様、そして空中を警護するように、大きな羽を広げて鷹が飛ぶ。 「ところで永田、女狩りなどと俺は聞いた事もないが、何故おまえは知っておったのだ?」 「右大臣様が言っていた。近頃都に女だらけの店までもがあるとか。貴族の端くれどもが、それで欲求を満たしているらしい」 私の後ろから、永田様は甘く囁くような声で話をする。 「なるほど。それで女狩りをして女を売っては金に変えておるのだな。なんとも酷い話だ」 後藤様は、自分も貴族なのに呆れていた。 「最悪殺しまでも、有るそうだ」 「ムムムッ、許せんな貴族の端くれが」 えっ…殺されてるの? 捕らわれた女たちが? 都という華やかな場所で? 「殺して血を見て喜ぶ遊びが、要するに貴族の女狩りというもの…らしい」 私はそれを聞いて、背中に鳥肌が走った。 「おぞましいのぉ!」 後藤様は私の代わりに、そう大きな声で言ってくれた。 「…よかったなぁ、女よ」 「……」 「おまえのようななりの女など、とっくに殺されているはずだ」 永田様は、冷たく言った。
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