0人が本棚に入れています
本棚に追加
巨木に寄りかかり、完全に寝入ってしまっているランページ。
デプスチャージが喉笛を掻き切れる程に距離をつめるが、それでも目を覚ます様子はない。
一歩出れば戦場だと言うのに、この男の無防備さと来たら。
デプスチャージは溜め息をつき、ランページの顔を見た。
正確には不自然な程に伸ばされ、左側だけを隠している前髪を。
その前髪の下には、デプスチャージに依ってつけられた生々しい一筋の傷がある。
ランページはそれが元で、左目の視力を失っている。
不死身のスパークを持ち、ある程度の傷ならすぐに治癒してしまうランページがなぜわざわざ、左目の傷だけを遺しているのか。
ー我輩へのあてつけか?
デプスチャージは考える事が馬鹿らしくなり、思い切りランページの身体を蹴り上げていた。
最初のコメントを投稿しよう!