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入り口から半分まで自分の体が通るくらいに拡張したモールを発見。
「モール、そこでストップ。いまから言うことを理解したら頭を縦に振れ。わかったか」
一回頭が揺れたことから、次の指示に移る。
「そこから100m掘って、そっから真下に3m。それができたら手を叩いて俺を呼べ、また指示を出す」
コアルームに戻りダンジョンの簡易マップを開いて、さっき出した本を読み始める。ツチダだけに頼ってたら悪いからな。
彼はコアルームで一人本を読み出す。
彼は気づいて、いや記憶が無いことから気づけないが、記憶の頃の彼は覚えた事が半分しか使えなかった。そのため、普通の体で普通の人生を送り、普通に自分を普通ではない者になろうと頑張っていた。髪を異常に伸ばしていたのもその一つ。
だが、記憶がない今、記憶が無くなったことにより脳内の、存在の普遍普通の人間と言う枷と限界が同時に外れることになった。つまり、本来の彼なら有り得なかった事が、成れなかった姿の今が彼の本来の力である。
さらに本来魔法とは規定のルール上にしか存在しないもので、コアによる外付けが無い限り異世界人は魔法が使えない。なのに彼は使えた。前のマスターは呼び出しただけなのに対してだ。
それを内包している彼なのだが、それを知らない、知覚できていないことから、現在の彼の元となった非凡になろうとする思いだけが彼を結果として非凡へと押し上げていく。
そして彼はビルドモールの手を叩いた音を聞き、読書を止めて次の命令をしに向かうのだった。
異質系ダンジョン製作六日目
レベル:11 マナ:912
マナ生産:11/h マナ消費20
魔物:72(スライム種抜き) 階層:2
マスター:【スイナ】
評判:1 難易度:4
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