今からこの小説を公開するが決して後悔はしたくない。

2/5
236人が本棚に入れています
本棚に追加
/400ページ
 俺の名は“椎名竹文(しいなたけふみ)”。  周りからは竹文、シータケ、タケちゃん、青竹踏み、メガネ君、頭でっかち、へり・くつ夫、ノリ・悪夫、そして…………テンチョーと呼ばれている。  年齢は二十代後半とだけ言っておく。  見た目的には痩せ型の長身で、濃いめの茶髪に黒ぶち眼鏡、そしてエプロン装着と、腐女子の心をわしづかみにしてそのまま握り潰すくらいのなりをしている。  こんな俺は現在、“ラ・しいな”というしがない駄菓子屋を営んでいる。  しがないと言っても俺のばあちゃんの代から続いている老舗で、まあ、なんと言うか、皆さんがイメージしている通りの古めかしい駄菓子屋で、やっぱりしがない。  駄菓子屋って商売はぶっちゃけて言うと、クソほども儲からん。  10円の商品を売っても儲けは2円。なので毎日、いかにしてガキどもの購買意欲を刺激するのか試行錯誤しているわけだ。  おっ、どうやらそんなガキのひとりがやってきたようだ。
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!