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その一瞬の出来事に唖然とする。
先程まで人の気配など全然見せなかったこの長い廊下に、一瞬で姿を現したその青年に…。
不適に笑う青年に対して、発した言葉に本当なのか疑う。
そんな俺を、不思議そうに見つめる青年が口を開いた。
「信じられない?森に行きたいんでしょ?」
愉しそうに。
――ここは下級生イビりや苛めがあるから――
……ふと、この学校の現状を説明された時のことを思い出した。
そうだよ。この人何で俺が向かってる場所を知ってる?
「考え事?」
クスクスと笑ったこの人が、屋根から飛び降りた。
「もしかして、オレ怪しまれてる?怪しまれてるよね?ごめんね?オレここの生徒で…、歳はキミと同じだよ」
初めて目の前の人の顔が露になる。
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