4人が本棚に入れています
本棚に追加
母の帰りが遅くなることはたまにあった。
父は仕事が忙しく夜遅くに帰ってくるので
休みの日には一日中寝ていたし、幼い頃は一緒に過ごした記憶はほとんどない。
そんな父の目を盗んで母は私と二歳上の姉を連れて
よく外食をしたりしていた。
大概は母の古くからの友人である、たかくんのお母さんと。
たかくんは私と同い年だった。
お母さんに似て狐のような瞳は鋭い。
だけどたかくんは優しくて、ちょっと恥ずかしがり屋で
姉が幼稚園に預けられているときは
私はよくたかくんとセットにされて遊んでいた。ふたりで。
たかくんのお母さんははっきり物事を言う。
幼い私達にも包み隠さず。
最初のコメントを投稿しよう!