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もうここで寝ちゃおっかな…
あぁ…でももうちょい飲みてぇ…
ーーー…そんな願望を繰り返してる最中、途切れることなく俺に何かを言い続けるお店のお姉さんの声。
「……………如月さんってばっ!」
「……………………へーい?」
冷たいカウンターで項垂れていた俺は顔を上げた。
「ちょっとー…大丈夫?」
カウンター越しに立つ目の前のお姉さんは、いつもの笑顔を見せる代わりに滅茶苦茶心配した顔でこっちを見てる。
<<ガヤガヤ>>
だけどそんな顔してるのはお姉さんだけで、周りの奴らはこんな状態の俺を見てみぬふりして賑わう。
ーーー…ああああ…頭に響くんだけど…;
そんなことを思いながら、頭をおさえてこう言ってみた。
「…………やっぱ飲み過ぎ?」
やっべ…かなり重症(笑)
するとお姉さんは店のガヤガヤ声に負けないくらいに声を張り上げて怒る。
「もうっ!お酒酌まないからね?今日はここまでです!」
「ふぇー…まぢ?」
「如月さん今日は帰って寝た方がいいよ?お金は今度でいいから…」
「えー……………」
「えー?じゃないの!うちのお店はもうこれ以上お酒出しませんよ!如月さん寝なきゃ!お仕事でしょ?」
瞬間、ニコッと満面の笑み。
……こりゃ完全なる営業スマイルだ(笑)
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