蕾ゴコロ

5/20
前へ
/320ページ
次へ
「わかったよー…帰りますよー…んじゃ、一緒に寝てくれる?」 「なっ…何馬鹿いってんですか!ほーらっ!タクシー呼びますから…」 冗談でからかえば、周りのオッチャン達が口を揃えてこう言い始める。 『そうだぞーっ!馬鹿な事いってんじゃねー!帰れ帰れ!』って。 俺はオッチャン達に小さく舌打ち。 なんだよ…聞こえてたんかよ… 「いいよー俺歩いてかえるからーっ」 そう言って出入り口まで歩いて手を軽く振って。 横目で見たその先には、白い受話器を握り締めて、ボタンを押す寸前のお姉さんの姿が見えた。 構わずドアを開けてやや冷たい風が吹く先へと足を踏み入れた。 …うわっ…これ、少しだけ酔いさめそうかも ドアを閉める時、後ろから心配の声が聞こえたけど、それも無視してピシャンとドアを閉めて歩き出す。 ふいに時計をみると…まだ23:00。 ああああ…まだ何かしてたいぜ… そう考えを膨らませながら歩いた先はーーー…
/320ページ

最初のコメントを投稿しよう!

386人が本棚に入れています
本棚に追加