坂下くんの美しい瞳

7/19
前へ
/19ページ
次へ
 と、綺麗な目をふっ、と細めて、彼がにっこり微笑んだ。  優しげな唇。右のほっぺたに片えくぼ。  どきっとした。胸の中で、小さな赤い火花が散った。 「貴女の瞳が綺麗だと思ったからです」 ……え? 「僕のところまで登ってくるときに見た貴女の瞳は、とても美しかった。この瞳から見た世界は、一体どんな色をしているんだろうと思ったんです。だから僕は、貴女の体を借りたい。僕はとても知りたがりなのです」  その瞬間、火花が弾けて爆発した。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加