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「由香里!正紀!」
「さっきぶり」
振り返るとにかっと笑った由香里と気まずそうにしている正紀が立っていた。正紀の目元が赤いから、さっきまで泣いていたのかもしれない。
「邪魔するぜ!」
「ごめんねいきなり」
「俺は構わないぞ!」
「私も別に…」
うわ、正紀と由香里手繋いでた。羨ましい。ていうか付き合い始めたのか!?正紀の好きな人って由香里だった訳!?
「瀬南、百面相になってる」
くすりと隣に座った正紀が笑う。ほっとけ。
「正紀が好きな人って由香里だったのかい!?」
「さぁてね。あ、注文いいですか?」
はぐらかすような正紀の態度に少しいらっとする。これだから頭の良
い奴は。
「餃子一つ、激辛ラーメン一つ、チャーハンセットのワンタン麺特盛
で一つ、あ、後小籠包一つお願いします」
「…君それ全部一人で食べるわけ?」
半ば唖然としながら聞けば、正紀は照れたように笑った。そんな細くてちっちゃい体にどうやって入るんだそんな量。
「瀬南、君今失礼な事考えなかった?」
「滅相もございません」
「激辛ラーメンは由香里だよ」
「…後は一人で食べるんだね」
そういえば合宿でも馬鹿みたいに食べてたな。あれは特訓じゃなかったのか。
「なぁ、今週末夏祭りあるよな!」
「ああ、そうね」
「この辺のメンバーで行かない?」
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