いち

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リズの手足から繰り出される連撃は絶え間なく、翼による方向転換は通常ありえない位置からの攻撃をも可能とする。 「手に負えねぇっ!!」 ロックも小手と刀で攻撃を弾く事が精一杯だ。 波状攻撃と一撃必殺。 個人戦闘と集団戦闘。 対極の二人はあまりにも相性が良く。そして、悪い。 「ほらほらっ!まだまだ終わらないわよっ!」 そういいながら右手の爪を穿つリズの顔には笑顔すら見え、疲労を待つという選択も難しい事を感じさせる。 重力落下による加速はショートジャンプのように短い距離を早く移動する事には向かない。故に、二人の距離は開くことなく、仕切りなおしすらさせてもらえない。 刀で多少強く弾いたとしても翼が空中での挙動を整え、4本のうちどれかが即座に襲い掛かってくる。 とはいえ、自分が相手の力を利用して吹き飛ぶというのも難しい話だ。リズの攻撃は連続攻撃をする事を前提としており、動きが止まらないようにするために、重く突き込むような一撃は来ない。 裏を返せば軽い連続攻撃だからこそ、ロックは防御しえているというのも一面だ。
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