オトシモノ

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変化があったのはそれから多分数分後ぐらいの事。 突如白い回廊にポツリと物が落ちていたのだ。 一つは小さな青い車の玩具。もう一つは緑の怪獣のお人形。 私達はよく分からないこの状況に、お互い首をかしげながら私は車に、しぐれは怪獣の人形に手を伸ばした。 何となく、コレであっている気がしたのだ。 この車は私の持ち物、怪獣はしぐれの持ち物。 まったく記憶には無いが、そう感じたのだ。 そのまま、また回廊に視線を戻せばポツリポツリと2つづつ小さなものが置いてあった。 私達はただそれを一つ一つ拾いながら廊下を進んだ。 そして片手が埋まるほど拾ったときに、物の数に変化が起こった。 さっき落ちていた小さな玩具のカメラを拾い、廊下の先を見た時の事だった。 次から奥には一つづつしか落ちていないのだ。 どうゆうことだろうか? そう疑問に思ってみているとしぐれは無残に壊れた古い形の携帯ゲーム機を片手にただそこに立ち尽くしていた。 その様子は、壊れた携帯ゲーム機を通して別の何かを見ているようだった。 私はそれが何となく恐ろしく思えた。 だから直にしぐれの肩を掴んで軽くゆすった。 するとしぐれは、ハッとしたように携帯ゲーム機から目を離し私に苦笑いを浮かべると、私からそれを隠すように手を後ろに回した。 本当はどうかしたのか問い詰めたかった。 しかし言葉が話せない今どうする事もできない。 このとき私は普段言葉が話せる事がどれだけ幸せな事か好ましく無い形で実感したのだった。
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