関所の日常 そのいち

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 私は激怒していた。必ずや、あの憎いあんちくしょうを笑い物にしてやろうと決意した。私にはあいつの価値観がわからない。私は関所の役人だ。暇なので、アニメや漫画やゲームやネットで遊んで働いてきた。 「先輩、マッキー借りました」 「過去系かよ。別にいいけどさ」  そして悪口に対しては、人一倍に敏感だった。今日仕事に来る途中で、すれ違った死神たちが会話しているのを辞めた。気まずそうに。 「あれ、みこちゃんってCD持ってたの?」 「違います。微妙なボケはやめてくださいカミサマ」 「私はあんまり好きじゃないかな」 「乗っかるな!」  何かあったの?人の顔を見るなり気まずそうな顔をして、と聞いた。死神たちは答えなかった。少し迷ったけど、今度はキツめ(物理)に聞いた。それでも答えなかったからさらに追加でキツめに聞こうとすると、死神たちは正直になってくれた。
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