第一章 Fate - 運命 -

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「絶対に、絶対に、クレドのおよめさんになる……っ。クレドも絶対……キリエのおむこさんだよ」  涙を洋服の袖で拭いながらそう言う少女に、少年は「うん」と笑ってみせた。  ――約束だね  キリエは何度もこちらを振り返りながらも、最後に大きく手を振ってから今度こそちゃんと車に乗った。  大丈夫だろうか。彼女は幸せに暮らしていけるだろうか。泣いたりしないだろうか。  いろんな事が心配で、不安で、クレドは手を振りながら車が見えなくなるまで見送った。 「キリエ……」  我慢していた涙が、白い頬を伝い、紺色のセーターを濡らした。  少年は少女の幸せだけを願いながら、祈りながらそれからの生活を送った。
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