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「ごめ、なさ……っ。ごめん、なさ、い」
キリエは顔を覆ったまま、泣きながら謝罪すると、その場にへたり込んでしまった。
後方で苦しそうに咳込むヨシュアを振り返り、もう彼に戦う体力はないだろうと確認して、クレドはキリエの傍らまで駆け寄った。
「キリエ。大丈夫か? 何処か怪我は」
クレドがしゃがみ、優しく肩に手を添えると、キリエは堪えきれずに飛び付いた。
このフォレストへ来て本当の危険を身をもって知り、キリエの幼い精神には確かなダメージを与えていた。
ただ声をあげて号泣するキリエの背中をポンポンと叩き、その小さな体を横抱きにして立ち上がる。
今ここでヨシュアに止めはさせるが、キリエを前に優先することではない。
クレドはしっかりと自分にしがみ付いて離さないキリエに、静かに「護れなくてごめん」と一言ささやいた。
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