19人が本棚に入れています
本棚に追加
二人がアジトに戻った後、それはそれは大騒ぎだった。
あのプライドの高いヨシュアがガラハドにおぶられて帰ってきたのだから。
団員達は相手を殺す殺すと盛り上がり、こめかみに青筋を走らせていた。
そんな彼等を窘めるのも嫌で、馬鹿騒ぎしている様を眺めるだけだ。
「おいお前等、若をやった相手には、若が直々に報復にいくさ。お前等が騒ぎ立てることじゃねえ」
ヨシュアはわかっていたと言わんばかりの顔で、自分の代わりに場を納めるガラハドを見る。
ガラハドは此処の団員には珍しいような人間だ。
他の奴のように血気盛んに喧嘩っ早いところもないし、難癖つけて相手を脅すようなこともしない。
だからといって、決して善人中の善人なわけでもない。
作戦と決まれば人殺しだって実行してみせるし、盗みだってする。
彼のそんなところを、ヨシュアとその父は気に入っていた。
最初のコメントを投稿しよう!