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「……もう寝る」
ヨシュアは木製のテーブルに手をついて自身を支えながら立ち上がる。
「若! 大丈夫っスか。そのケガどうするんスか」
比較的若い、差ほどヨシュアと歳の変わらない団員が心底心配そうな顔で言う。
「知るかよ……つーか、骨、イテェんだから、喋らすなボケ」
息を吸うことすらままならないというのに、いちいち怪我の治療だの相手への報復だの、喋る気力はない。
ヨシュアは小さく謝る団員を無視して、一人でふらふらと二階へと上がっていった。
あんなに頼りなさそうな若頭の背を見るのは、初めての者が多かった。
心配そうな団員達からわかるように、ヨシュアは皆から信頼されている。
ヨシュアのたてた作戦では失敗はまずない。
そしてヨシュアのいるところでは、常に死への恐怖が存在しない。
彼が自分たち団員を護ってくれるという自信があるからだ。
どんなに危険な目に遭っても彼といれば救ってくれる――。
そんな絶対的な強さが、彼にはあった。
故にヨシュアは、団員達から敬われ畏れられている。
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