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苦しそうに、今にも消えそうな呼吸を繰り返すヨシュアは、自室にいくとブーツも脱がずにベッドに上がる。
寝転ぼうとするも、背中に走った激痛で、即座にやめた。
「チッ……クソが」
このままじゃ数日間は眠ることもできない。
多少の痛みになら耐性はあるが、流石に内側からの痛みには堪えがたい。
とりあえずベッドの一番上まであがり、壁に背を預けた。
今はこれが精々のリラックス方法らしい。
ズクズクと疼く痛みに耐え、ヨシュアは無理矢理目を閉じた。
今夜は到底眠れないだろうが、何もする気になれないから目だけ閉じる。
運良く、痛みを忘れて図太く眠られたら幸いだ。
分厚い窓ガラスの向こうから微かに聞こえてくる鈴虫の鳴き声に、いつもならば舌打ちのひとつもしたくなるが、何故か今夜はそれが気休めになった。
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