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クレドに乗られたことやこの体勢にさせられたこで、今までない激痛がヨシュアを襲う。
「おい! 話が違うぞ!」
ガラハドはすぐさま拳銃を取り出そうとしたが、それをクレドがさせない。
「お前にはすることがあるだろ」
そう言われ、ガラハドはピタリと動きを止めた。
「お前の役割はなんだ? 部屋の外での見張りだろ。間違えるなよ」
幾つも年下の青年に静かに言われて、気付く。
飽くまでクレド達の目的はヨシュアの治癒なのだと。
その手段がどんなに手荒であろうが、クレドにとっては関係ない。
キリエが願うのなら、クレドは手段を選ばないし目的も果たす。
ガラハドは未だ疑わしい目を向けるが、納得してなさそうな顔をしてこの部屋の扉をゆっくりと閉めた。
弟分の苦しむ姿など見たくはないが、ヨシュアも男だから痛みくらい我慢するだろうと、無理矢理自分を納得させる。
閉まってしまった扉とヨシュアの上にいるクレドを交互に見て、キリエは今の状況に戸惑う。
「クレド……っ、ヨシュアが」
屈辱であった。
ヨシュアは殺したい相手に呆気なく陣取られ、怒りに体を震わせた。
「ざけ、な……っ! どけよクソが! ぶっ殺すぞ!」
怪我なんてしていなければクレドに拘束されることだってなかったし、されたとしても反撃できた。
力を入れただけで痛む体がどんなに危険なのかを痛感した。
「喚くなようるせーな。キリエが望まなかったら、今ここでお前を殺してもいいんだよ」
クレドは同じ手とは思えない程優しく空いている方の手でキリエの腕を取り、そっとヨシュアの背に誘導してやった。
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